読書記録:伊藤邦雄(2021)『企業価値経営』
非常に重厚長大な本で、全てを読み切ったわけではないけど、備忘のために「読中感想文」を記す。
書誌情報
- 伊藤邦雄. (2021).『企業価値経営』.日本経済新聞出版.
本を読んだ背景
- ESG活動(ひいては非財務資産)が企業価値に貢献するという、近年会計・ファイナンス界隈で感じられる信念の背景や理論的枠組について理解を深めたい
- 伊藤レポート1を著し、日本企業の企業価値の創出能力に問題提起をした伊藤氏の主張であれば、日本企業全体に対して一定の普遍性を持ったものであるとの期待があった
- 業務でSDGs関連の取り組みをしているので、参考にしたい
本の中身
概要
- 企業価値を、どのような情報を用いてどのように評価するのか、またそれらの評価を経営戦略策定のためにどう反映し企業価値を想像するのか、解説する(p. vi)
- 背景: 企業経営の難度の増加:
- 企業価値創造における「地殻変動」:決定因子に対する認識が有形資産から無形資産へ転換していること(p.iv)
- →データ・情報を最新化した最新分野を網羅的にカバーした(DX以外)(p. vii)
- 背景: 企業経営の難度の増加:
- 4つのステップからなる、企業価値創出の実践的なフレームワークの提示(p. viii):
- I. 金融理論から算出された企業価値と株式市場における実際の評価である株式時価総額との間にギャップはあるか?ある場合はなぜなのか?
- II. そうした状況や原因を踏まえ、企業はどのような価値目標・業務目標を掲げる必要があるのか?
- III. 企業価値を創造するにはどのようなシナリオが必要なのか?
- IV. 進捗に基づき、理論価値を算出する
- 本書構成:下図の通り
- 序章
- 第I部
- 第II部
序章 (Ch. 1, 2)
- 伊藤レポート後の日本企業のパフォーマンス(p.4~):
- ROEは改善したが、米国企業と比べるとまだまだ。PBRなどからも見て取れる
- 日本企業の持続的企業価値創造に向けた、近年の改善の方向性:①コーポレートガバナンス改革、②経営者・投資家の対話促進、③企業に社会課題に対し積極的な対応を促す基盤づくり(ESG, TCFD関連の報告書など) (p.5)
- 有利子負債への依存率に見る、日米企業の不確実性への対応の姿勢の比較(p.15)
- 日本企業:必要なタイミングで金融機関から資金を獲得できないことに備え、有利子負債への依存度の低下を志向した
- 米国企業:競争力の高い事業領域に資源を集中させるべく、有利子負債率は上昇傾向にある。局面によって、積極的な還元策を実践したり還元性向を大幅に引き下げたりしてきた。
- ESGの潮流(p.17-)
- 動機:社会課題の重要さに対する共通認識の形成、企業に対するプレッシャーの増加、評価機関の台頭
- 米国:経営者観点で特定のマテリアリティに詳しい開示が求められる傾向
- 欧米:一定企業以上の企業は情報開示が義務化
- ESG経営はまだ発展途上である
- ROESGは1つの手段。
- e.g. ノボノルディスク(医薬品): ESG活動が企業価値創造に結びつくという確固たる信念のもと、発展途上国に対する市場創造活動を長期スパンで実施してきた。(pp.29-30)
- ROESGは1つの手段。
- 動機:社会課題の重要さに対する共通認識の形成、企業に対するプレッシャーの増加、評価機関の台頭
第I部 ()
『本書は厚い。』(p. xi)\
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